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韓国伝統舞踊について

「舞踊について考えることは、そのままその民族の文化の根源について考えることだ。」と読んだことがあります。韓国の伝統文化は、分野を問わず、「共に分け合い、存し、互いに生きる」ということを最高の徳とします。共にあるために、共に呼吸する。韓国伝統舞踊の基本となるのは呼吸です。丸く円を描く呼吸。止まっているようでも、身体の奥では呼吸が流れています。絶えず呼吸は回り、うねり、曲線を描いて、とどまることがありません。演奏も唱もまたこの呼吸によってなり、韓国独特の気韻、興、味も呼吸がその核心をなしています。
韓国伝統舞踊、その中でも「スンム」、「サルプリチュム」、「テピョンム」は、それぞれ民俗舞踊の雄、雅、華を象徴する舞として、非常に高度な技量が要求される演目です。それぞれが無形文化財に指定されています。
舞に合わせ、演奏するのはチャングをはじめ、テグム、カヤグム、アジェン、ピリ、ヘグムなど韓国独特のリズムと旋律を奏でる楽器。息の合った〈楽〉のかけあいは、生き生きとしたパン(場)をつくり、韓国伝統の〈舞〉の真髄が発揮されます。

金利惠



サルプリチュム

:重要無形文化財第97号

サルプリチュムのサルは厄、プリは祓う、チュムは舞を意味します。元来、韓国南道地方の巫舞から発祥したといわれますが、次第に儀式性から離れ、民俗舞踊の一つとして発展し、現在は、韓国舞踊を代表する演目です。端正に髪を後ろでまとめ、チョク(髷)を結ってピニョ(簪)を差し、白いチマチョゴリをまとってゆっくりと舞い始めます。手にした純白の長いスゴン(布)に、悲しみや、愛、恋、業、また憧れや亡者への想いなどを込めます。ハン(恨:強い思い)を浄化させるような趣をもつ、即興性と内面性の強い舞です。

純白のスゴン(布)が宙を舞う

僧舞(スンム)

:重要無形文化財27号

韓国の民俗舞の精髄として広く知られる演目です。あらゆる伝統舞踊の技巧を集大成した舞といもいわれ、流麗なチャンサム(長い袖の僧衣)の線と、静・中・動をふまえた呼吸と足運びが特徴です。
スンムの由来は様々ですが、修行僧の煩悩や葛藤・解脱を描いているともいわれ、人間本然の悲喜を克服し、それを昇華させる求道的な舞です。

流麗なチャンサム(長い袖の僧衣)の動きが美しい

テピョンム(太平舞)

京畿地方(ソウルを中心とした地域)の巫俗リズムをもとに、李朝末期に活躍した韓成俊によってつくられたといわれます。韓成俊は20世紀初め、ソウルで韓国舞踊研究所を設立し、崔承喜などに韓国舞踊を教習したことでも知れています。複雑で多彩なチャンダン(リズムパターン)に息を合わせた足さばきが魅力です。国の豊年と太平聖代を祈願するこの舞は、頭にファガン(花冠)をつけ、絢爛な衣装をまとい舞う華やかさも特徴です。

頭につけたファガン(花冠)と衣装が華麗

散調舞(サンジョム)

散り、乱れ、ほつれた「散」。曲調の「調」。そして、「舞」う。さまざまな曲調をひとつの作品として集めた器楽独奏曲の流れと共に感情の変化がチュムサウイ(動作・振り)に見られます・。ゆっくりとした6拍から始まり、しだいに早いリズムへと曲調は変わります。情緒、優雅、妖艶さなど、成熟した女性の心の変化を顕わす舞です。

衣装と舞扇から優雅さと妖艶さが漂う

チャンゴチュム

チャンゴは、さまざまな演奏のさいに曲のテンポやチャンダン(リズムパターン)をしっかりと守り、全体をリードする役割をします。そのチャンゴを肩から掛けて打ち叩き、興にのって舞い踊ります。農楽の中で踊るチャンゴチュムとはちがい、舞踊的な要素が強く、興のわく民謡曲とともに伸びやかで華やかに舞い、女性的魅力を発揮します。

チャンゴを打ちながら伸びやかで華やかに舞う