メガサリとの出会い


1994年、天光眞弓はバリ島、ウブドゥに滞在中にメガサリとその作品に出会いました。
バリ島の伝統画とは雰囲気も手法も違っていました。水彩の細密画ではなく、油性インクによる版画でした。
作品の中には、バリの暗闇にうごめいていそうな・・・ちょっと見は怖いけど、おチャメに笑っている妖怪、力強い神話の中の精霊、不思議な生き物達が溢れていました。
色の重なりから、豊かな濃厚な風合いが感じられました。
まさにバリ島の息づかい、バリ島の空気感そのものです!
次第に、現地で眺めて楽しむだけでなく日本の都会の中で、このエネルギー溢れる生き物のような作品を見てもらいたい、そんな気持ちになっていきました。
メガサリはバリ島の印象を伝統のスタイルにこだわることなく独自の感受性、手法で表現している希有なアーティストの一人だと思います。

メガサリの作品を眺める



オーナメント HORNAMENT
1994

初期の作品には、バリ島の神話に出て来る魔物、妖怪、悪霊と呼ばれる生き物たちが溢れている。
なぜ魔物、妖怪?
どうして悪霊然とした生き物が笑っている?

バリ島の人たちが信仰するヒンドゥー教の世界観〜〜〜
善と悪はいつも私たちの周りに、そして自分たちの中にも存在している。
“私たちは悪霊さんのことも忘れていないよ”という想いから、悪霊と言われるものたちにもお供えを欠かさない。そうすれば悪霊も悪さをしないから。

94年〜97年まで、メガサリは悪霊たちを好んで描いていた。
まるで自分の中の、自分の周りのそれらを祓おうとするように。
次第に作品の中、穏やかな澄んだ空気が溢れるようになった。
その空気の中、鳥達は水の中を泳ぎ、魚達は太陽に向かって飛び跳ねている。
花々は手足をうねるように咲いている。

2011年の京都での個展に向けた作品には、その変化がはっきりと見えた。
東日本大震災を受けて、祈りの心が溢れている。
日本での悲劇的な大震災、原発事故を知り、心を痛め、心を寄せていたメガサリは
遠くバリ島から、日本の心を優しく、大きく包み、鎮めようとするような作品を作り上げた。
以前のこの世を生き抜く力強いエネルギーとはまた違う、穏やかなたおやかな強さを感じるものだった。
これからメガサリの作品に溢れる空気がどんなふうに変わって行くか、私たちに何を感じさせてくれるのか、バリ島を訪ねるのと同じようにときめく!


私の太陽 MATAHARI KU
2011

メガサリ(MEGASARI)プロフィール



バリ島唯一の女性版画家。1963年 バリ島西部、タバナン生まれ。
ISI ジャワ島ジョグジャカルタ国立美術大学で版画を専攻。特に木版画を6年間学ぶ。
現在、バリ島Ubud在住。
油彩画家である夫のグスティとともにバンガローを経営しながら創作を続けている。

<メガサリの経営するバンガロー>
デワンガ・バンガロー Dewangga Bungalow and Gallery
http://www.dewanggaubud.com/

<プロフィール>

1994年 バリ島グリーンミラットホテルにてSENI WATI グループ展
1995年 東京青山 フィロ青山にて展示
ドイツ コローニュ メディアパークにてSENIWATI グループ展
栃木県ギャラリー 黄金の館にて個展 『バリからの神話』
大阪 びいどろほおるにて 展示
1996年 大阪セルヴィスギャラリーにて個展 『バリからの神話』  
山形県酒田市、鶴岡市、米沢市、山形市トヨタカローラショールームにて巡回展
東京スパイラル。エントランスギャラリーにて個展 『バリからの神話』
1997年 東京渋谷パルコ ロゴスギャラリーにて個展 『天地の想像力』
2000年 東京アート・カフェ・1107個展 メガサリ版画展
2001年 東京アート・カフェ・1107個展 『光の引力』
埼玉県 宗平ギャラリー 個展『バリからの贈り物』
2004年 大阪ワイアートギャラリー 個展『バリからの神話』
2005年 大阪ワイアートギャラリー 二人展(メガサリ版画と夫グスティ油彩画)
『バリからの神話』
2009年 東京豊島区あうるすぽっと ロビーにて『バリからの神話』
2011年 京都市ギャラリーKazahana(東急ホテル)にて 『バリからの神話』